一般内科・呼吸器内科・胃腸科・外科
医療法人 難波医院
岡山県岡山市北区横井上222-1

TEL: 086-294-3366

各種予防接種の詳細について

新型コロナワクチン接種について

新型コロナワクチンの全額公費による接種は令和6年(2024年)3月31日で終了しました。
令和6年4月以降の接種は原則有料となります。

定期接種について

令和6年度以降の新型コロナワクチンの接種については、個人の重症化予防により重症者を減らすことを目的とし、定期接種(B類)として実施することとなっています。定期接種の対象者はインフルエンザワクチンの定期接種の対象者と同じです。

  • 65歳以上の方
  • 60歳から64歳までの一定の基礎疾患(※)を有する方
    ※心臓や腎臓、呼吸器の機能の障害があり身の回りの生活を極度に制限される方や、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に障害があり日常生活がほとんど不可能な方。

定期接種のスケジュールは、感染症の状況やワクチンの有効性に関するデータを踏まえ、毎年秋冬に1回行うこととしています。
また各自治体において設定した自己負担額がかかります(低所得者を除く)。
接種を受ける努力義務や自治体からの接種勧奨の規定はありません。

また、令和6年4月1日以降に定期接種以外で接種を希望される方には、任意接種として、自費(全額自己負担)で接種を受けていただくことになります。

任意接種について

上記の対象とならない方で、新型コロナウィルスワクチンの接種を希望されるかたは、任意接種となります(原則全額自己負担)。
まだ金額は決まっておりませんので、決まり次第公開いたします。

インフルエンザ予防接種のご案内

インフルエンザワクチンのおしらせ

毎年10月頃より接種を行います。予約なく接種することが可能です。
可能時期になりましたら公示いたします。

接種開始日

令和6年10月頃

お願いごと

※当日の体温が37.5度以上の場合はお電話にてご相談ください。
※キャンセルされる場合も、同様にご連絡をお願いいたします。
※当日は、健康保険証をお持ち下さい。
※事前に問診票に必要事項ご記入の上お越しいただけますとよりスムーズな診療となりますので
 ご協力をお願いいたします(問診表は9月末頃入手可能となります。受付へお申し出ください)。

肺炎球菌ワクチンの予防接種について

肺炎を起こす病原体は様々ありますが、特に「肺炎球菌」という細菌は重症の肺炎だけでなく髄膜炎や菌血症(血液中に細菌が入り込んで全身を巡る状態)の原因になることがあります。
とりわけ「60~64歳で重篤な基礎疾患をお持ちの方」または「65歳の方」では重症化率・死亡率が高いことから、定期接種の対応となっており、公的にも接種が推奨されています。

ご注意ください!!令和5年度までは65歳以降の5の倍数の年齢《70歳・75歳・80歳…》も対象でしたが、今年度からは満65歳の方(と60~64歳の重篤な基礎疾患のある方)のみが助成対象です。

接種費用・・・助成対象の方の自己負担額…3670円   全額負担の方の自己負担額…7350円

助成金対象となっているニューモバックス

「1回の接種で5年間効果が続く」というメリットもあり、ぜひ接種をお勧めしたいワクチンのひとつです。

肺炎球菌感染症に特に注意する人は?

特に肺炎球菌感染症が重症化しやすい方は次のような人です。

  • 65歳以上の高齢者の方
  • タバコを吸われている方
  • 長期療養施設に入居している方
  • 手術やもともとの解剖的な理由で脾臓がない方
  • 菌から身体を守る免疫機能が低下している方
  • 慢性的な病気の方(心不全や慢性肺疾患・糖尿病・肝疾患・アルコール依存症の方など)

肺炎球菌ワクチン

肺炎球菌ワクチンには主に「ニューモバックスNP®(23価ワクチン)」と「プレベナー13®(13価結合型ワクチン)」の2種類があります。

ニューモバックスNP®とプレベナー13®の違いは?

大まかに説明すると

  1. ニューモバックスNP®の方が、プレベナー13®よりも広い血清型カバー率があり、ニューモバックスNP®のみでも肺炎球菌の予防として推奨される。
  2. ただしニューモバックスNP®とプレベナー13®を接種することで、ブースター効果(相乗効果)があり、さらなる予防効果が期待できる。
  3. プレベナー13®のみの接種は推奨されず、公費が適応されるのはニューモバックス®だけ(1回限り)

というのが主な違いです。

肺炎球菌ワクチンの効果

ニューモバックスNP®の場合

ニューモバックスNP®により肺炎球菌感染症の発症を45%減少させることが日本の研究で確認されています。海外の先行研究もワクチンの効果は40~70%なので、日本での効果は海外とほぼ同等といえるでしょう。

65歳以上でもワクチンの効果は39%と報告されています。

ニューモバックスNP®は「不活化ワクチン」という菌の一部を不活化(感染力)を失わせて接種する方法です。効果時間としては5年以上といわれています。しかし再接種したほうが効果が高まることがわかっていることと、副反応のバランスから5年以上たった場合再接種をしてもよいとされています。

プレベナー13®の場合

オランダでの研究結果では、65歳以上の高齢者にプレベナー13®により肺炎球菌感染症の発症が51.8%減少したと報告されています。ただし、2018年度の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会において、日本の大規模臨床試験で65歳以上の高齢者の効果が立証されていないこと

国内でのプレベナー13®で対応する血清型の比率が、むしろ近年低下していること(53%から33%)などから、プレベナー13®は65 歳以上の成人を対象とした定期接種ワクチンとしては位置づけないと結論されました。

肺炎球菌ワクチンの副反応は?

ニューモバックスNP®の場合

ニューモバックスNP®では接種部位の痛み・赤み・腫れといった局所反応と、筋肉痛・だるさ・発熱・頭痛などの全身の副反応がみられることがあります。一番多い副反応は、接種部位の局所反応で、5%以上の方が経験します。

報告されている重い副反応としては、アナフィラキシー様反応・血小板減少・ギランバレー症候群(主に四肢のマヒが生じる疾患)・蜂巣炎様反応などですが非常にまれです。(1%未満)

また、初回接種よりも副反応は強くでる可能性があります。

プレベナー13®の場合

プレベナー13®では疼痛(49.3%)紅斑(19.6%)腫脹(17.0%)上腕の可動性の低下(16.4%)頭痛(13.2%)筋肉痛(21.6%)疲労(21.0%)が主な副作用になります。

また、稀に報告されている主な副作用はショックやけいれん・血小板減少性紫斑病ですが非常にまれです。(1%未満)

肺炎球菌ワクチン(ニューモバックスNP®・プレベナー®と他のワクチンとの接種間隔は?

ニューモバックスNP®・プレベナー13®も不活化ワクチンになります。

そのため他のワクチンとの接種間隔は以下の通りです。

不活化ワクチン(インフルエンザワクチン・肺炎球菌ワクチンなど):接種間隔に制限はありません。

新型コロナワクチン:新型コロナワクチンは、インフルエンザ以外のワクチンとは同時に接種できません。新型コロナワクチンとその他のワクチンは、お互い片方のワクチンを受けてから2週間後に接種できます。

他の生ワクチン(BCG、MR[麻疹・風疹ワクチンなど]):接種間隔に制限はありません。

帯状疱疹ワクチンについて

水ぼうそうと帯状疱疹について

水痘(水ぼうそう)と帯状疱疹は 同じウィルス感染によって引き起こされる疾患です。

 イメージとしては 水ぼうそうは幼少期に見られやすい疾患
          帯状疱疹は中高年以降に発症しやすい疾患  です。

水痘(水ぼうそう)って?

水痘は、一般に「みずぼうそう」として知られている感染症です。

水痘・帯状疱疹ウィルスに初めて感染することによって、発熱や倦怠感とともに特徴的な発疹が全身に生じる病気です。
9才以下の子供がかかることが多く、発症すると強いかゆみを伴う発疹が全身に広がっていきます。
発熱も伴うこともありますが、発疹以外の症状は比較的軽いことが多く、発疹も1週間前後で水疱(水ぶくれ)から痂皮(かさぶた)となって剥がれ落ち自然に回復します。
一方成人が水痘にかかると重症化することもあり、肺炎や髄膜炎、脳炎などの合併症を併発することがあります。
このウィルスは感染者の唾液や水疱の中の浸出液に含まれています。
非常に感染力が強く、接触感染、飛沫感染だけにとどまらず空気感染も起こしうるのが特徴です。
このため、感染者の唾液や浸出液に触れなくとも、同じ空間にいるだけで感染してしまいます。

通常、水痘は一度感染すると免疫が形成されるため再感染はないといわれています(終生免疫)。
よって成人がかかることは少ないといわれていますが、子供のころ水痘にかかっていない、もしくは予防接種を受けていない成人は免疫がないため、感染してしまう可能性はあります。
小児の場合は軽症のことが多く対症療法が基本となりますが、成人が発症し重症化したケース、重症化リスクが高い症例では抗ウィルス薬の点滴がなされることもあります。

水痘は小児を中心に年間100万人以上かかっていましたが、2014年から乳幼児期の水痘・帯状疱疹ワクチンが定期接種化されたため患者数が減少していくことが期待されています。

帯状疱疹とは…?

水痘(水ぼうそう)を引き起こしたウィルスは、水痘が治癒した後も、一生涯知覚神経節に潜伏感染します。
普段は悪さをすることはありませんが、何年も何十年も経って宿主の免疫力が低下した時(ストレスや疲れ、免疫機能が下がるような疾患に罹患したとき)に、潜伏していた水痘・帯状疱疹ウィルスが再活性化したものが帯状疱疹と言われる病態です。
潜伏していた知覚神経の走行に沿って、最初ピリピリするような痛みが始まり、時間の経過とともに赤みや水疱などの皮膚症状が現れます(神経にそって発症するので皮疹は体の半側にでることがほとんどです)。
上半身に出ることが多く、顔面や首、頭部に発症することもあり重症化した場合は、顔面神経麻痺や失明、難聴などの重篤な症状を引き起こすこともあります。
皮疹が治った後も疼痛や感覚異常が数カ月から数年にわたって続くことがあり、これを「帯状疱疹後神経痛」と言い生活に支障がでてしまうことも多々あります。

帯状疱疹には有効な抗ウィルス薬があり、内服治療で1~3週間で皮疹は軽快しますが、色素沈着や跡形が残ることもあります。
また治療が遅れると前述した重篤な症状になる可能性や後遺症のリスクが増えるため、早期治療が大切です。
帯状疱疹は加齢に伴って発症率が高くなり、特に50歳から急激に増加し80歳までに約3人に1人が発症するとされています、水痘(水ぼうそう)の予防接種は定期接種化されたため幼少期にワクチンを打つこととなり今後患者数は減少することが期待されますが、帯状疱疹ワクチンは任意接種であり、一人ひとりの予防に対する意識がポイントになるかと思われます。
以下に帯状疱疹の危険因子をまとめます。

 帯状疱疹の危険因子

 ・水痘感染歴・水痘の生ワクチン接種歴
 ・年齢50歳以上
 ・免疫抑制状態(コントロール不良の糖尿病、アルコール多飲者など)
 ・免疫抑制剤・長期ステロイド使用中
 ・エイズ
 ・骨髄・臓器移植後
 ・悪性腫瘍(がん)
 ・精神的ストレス
 ・外傷

帯状疱疹ワクチン

帯状疱疹の予防にはワクチンが有効です。
現在2種のワクチンがあり(①生ワクチン ②不活化ワクチン)2016年に50歳以上の成人に対する帯状疱疹ワクチンの任意接種が認められました。
健常な方を対象にした臨床試験の結果では、生ワクチンで51.3%、不活化ワクチンで97.2%の帯状疱疹発生抑制効果が確認されています。
次に、2種のワクチンの特徴をまとめます。

当院ではより予防効果の高い不活化ワクチン(シングリックス)のみ取り扱っています。
予約制と
なっておりますので、ご希望の方は事前にお電話にてお問合せください。
(自治体によっては助成制度がありますが、岡山市は現時点では助成の対象ではありません)

B型肝炎ワクチンについて

B型肝炎とは

B型肝炎とはB型肝炎ウィルス(HBV)が血液・体液を介して感染して起きる肝臓の病気です。B型肝炎は全世界で約3億5000万人が感染しているといわれる病気で日本では約130~150万人(およそ100人に1人)が感染していると推測されます。

B型肝炎が持続すると慢性肝炎から肝硬変、さらには肝細胞癌へと進行する可能性があります。それにも関わらず肝炎検査を受けたことがある割合は58.4%であり隠れB型肝炎を起こしている方がいるかもしれない、といわれています。

感染経路

B型肝炎ウィルス(HBV)が感染した人の血液と血液の直接接触や 精液・膣分泌液によって感染します

1 周産期感染 出生時にHBVに感染している母親から子供への感染

2 小児早期の感染 感染している家族と濃厚な接触による 人―人感染

3 安全ではない注射器の使用 感染した血液を含む注射器を使用して起きる感染

4 不適切な輸血 感染した血液を輸血することが起きる感染

5 性行為による感染 コンドームなどを適切に使わない性交渉などで起きるパートナーからの感染

6 ピアスの穴開け、入れ墨などの行為

7 入れ歯

8 HBに感染している患者から(血液などを介する)医療従事者への感染

B型肝炎の症状

B型肝炎には急性肝炎と慢性肝炎があり症状が異なります

○急性肝炎

 感染して1~6か月の潜伏期間を経て、全身倦怠感、食欲不振、悪心・嘔吐、褐色尿、黄疸などが出現します。症状が軽く自分では気づかないうちに治ってしまう例がほとんどですが、中には激しい肝炎を来たし生命を維持できない状態(肝不全)、いわゆる劇症肝炎になることもあります(1~2%)。また一部では慢性肝炎に移行することがあります(5~10%)。

○慢性肝炎

 出産時や乳幼児期は免疫機能が未熟なため、HBVが感染しても異物(敵)と認識できず持続的にウィルスが存在し続ける状態(持続感染)に移行していきます。生後数年~数十年は肝炎が起こらず、体内のHBVは排除されずに体内で共存する状態となり、これを「無症候性キャリア」といいます。

思春期をすぎ免疫機能が発達すると、共存しているウィルスを敵とみなすようになり排除しようとします。一般的に10~30代のときに一過性に強い肝炎を発症しますが多くの場合は免疫が働き肝炎は収まっていきます(「非活動性キャリア)といいます)。そのまま肝機能が一生安定する人が80~90%ですが、残りの10~20%は肝炎の状態がつづき(慢性肝炎)、持続的に肝細胞が壊され続けるため、肝硬変へ移行し、その後肝細胞癌まで発症することもあります。慢性肝炎以降では、全身倦怠感、食欲減退が見られ、進行すると黄疸、腹水などの症状がみられるようになります。

B型肝炎にはいくつか治療薬がありますが、それでもなかなか完治は難しい疾患です。
よってB型肝炎の発症を予防するワクチンが重要となります。ワクチンを接種することにより高い確率でHBVの感染を予防することができます。

B型肝炎ワクチンについて

我が国ではHBVに対する感染予防が3種類あります

①母子感染予防対策事業

②HBワクチンの定期接種化…2016年より乳幼児の定期接種の対象となりました

③医療従事者などに対するワクチン接種

・2016年4月以降に生まれたすべての人は1歳までにB型肝炎ワクチンを接種しています(②)
・1985年以降にHBVに感染しているお母さんから生まれた方はB型肝炎母子感染防止事業によりワクチンを接種されています(①)
・医療従事者や救急救命士、消防士、警察官など職業上感染リスクのある方はB型肝炎ワクチンを受けたほうが良いでしょう(③)
・同居の家族にHBV感染者がいる方もB型肝炎ワクチンをお勧めします。

B型肝炎ワクチンを受ける前にHBVに感染していないか、あるいはすでにHBVに対する免疫を獲得していないかを調べます(HBs抗原とHBs抗体検査)

・成人におけるB型肝炎ワクチン接種は「初回・1か月後・6か月後」の3回接種が基本です。
・3回目の接種の1-2か月後にHBs抗体検査にて免疫が獲得されたかどうか調べます。
・1シリーズのワクチンで免疫が獲得できない場合は、もう1シリーズのワクチンが推奨されています。

接種後の抗体価が不明な人は、一度抗体価を調べておきましょう。もし、10mIU/mL未満の場合は、ワクチンを1回接種して抗体の反応を調べます。その結果、まだ上昇していなければ、あと2回の接種を行います。なお、一旦、抗体が獲得されていれば、抗体価が10mIU/mL以下になっても、ブースター効果(感染時には免疫力が呼び戻される)が働き、発症を予防するため、追加接種は必要ありません

B型肝炎ワクチンの価格
 当院で採用しているワクチン…ビームゲン® 5,610円/回

 接種証明書を希望される場合は 別途550円必要となります